眼瞼下垂手術後の腫れや内出血などのダウンタイムとは
眼瞼下垂の手術には切る手術と切らない手術があります。いずれの場合も、術後は腫れや内出血、施術部位の痛みなどのダウンタイムがありそれぞれにメリットとデメリットがあります。
眼瞼下垂の手術後のダウンタイムには、「術後の腫れが引かない」「眼瞼下垂の手術後の内出血」「ドライアイになる」「涙目・めやに」「まぶたが閉じにくくなる」「視界がぼやける」「目がゴロゴロする」があります。また眼瞼下垂術のデメリットには「手術中の痛みが怖い」「手術時の麻酔が痛い」などが言われています。
それぞれの眼瞼下垂の手術後に考えられる症状について解説いたします。
眼瞼下垂手術後の腫れが引かない
腫れは皮膚がむくんだ状態で、寝不足や泣いた後の様な感じです。保険適応の手術の場合は10日から2週間で引きます。切らない手術の場合は7日~10日ぐらいで引きますが、レーザーメスの手術の場合は1か月ぐらいかかります。
内出血は皮下に血液が溜まった状態で、青っぽく見えるので『あおたん』と呼ばれますが、引くまで約2週間ぐらいかかります。内出血がある間は腫れも引かないので、腫れが長引く原因になります。
眼瞼下垂手術後の内出血
手術当日から翌日にかけて出血することがあるので、当日はなるべく目を閉じて、寝るときは仰向けで休むようにしましょう。
また、腫れがある場合は、保冷剤等で目を冷やすと腫れが少し緩和されますが、冷やすのは当日のみで、翌日以降は冷やさないで下さい。
ドライアイになる
眼瞼下垂の手術後は、ドライアイが起こりやすくなります。手術後は、まぶたが開きやすくなり、目の乾きを感じるようになります。人によっては、目が開きやすくなり、まぶしく感じるため、涙が出たり、目やにが増えたりすることがあります。日中外出するときは、サングラスをかけるとよいでしょう。
ドライアイ、涙目、目やになどの症状は、1ヵ月ほど時間が経つと落ち着いてきます。日中は、処方された目薬をお使いください。
視界がぼやける
眼瞼下垂の手術によって視力が低下する心配はありません。ただし、腫れが完全に引くまでは、角膜の形状が一時的に変化するため、手元が見えにくくなることがあります。ほとんどの場合、3か月程度で回復し、徐々に見えやすくなっていきます。
目がゴロゴロする・まぶたに違和感がある
眼瞼下垂の手術は筋膜を糸で固定するため、手術直後は若干の締め付け感や違和感があります。手術後に眼の中に異物が入ったような、ゴロゴロした異物感が出る事が有ります。通常は1~2週間で自然に治まりますが、それ以上長引く場合は診察が必要な事も有ります。
この感覚は眼が開けやすくなる原動力であり、時間とともに慣れてきますので、心配要りません。ただし、耐え難いほど程度がきつい場合は処置が必要になる事もありますので、気になる場合は診察にお越しください。
眼瞼下垂の手術後に腫れやダウンタイムを酷くさせないために注意すること
眼瞼下垂症治療に限らず、外科手術では術後の腫れは必ず生じます。術後の腫れの程度は、切開・切除・縫合の程度に比例すると言われおり、まぶたは顔の他の部位と比べて、腫れや赤み、痛みが出やすい部位です。
術後は腫れ、ダウンタイムの期間を短くするための方法がいくつかあります。
<まぶたを冷やす> 手術当日は、まぶたが腫れる前によく冷やすことが大切です。冷やすことで炎症反応が抑えられ、ダウンタイムが短くなります。腫れてから冷やすと効果が半減してしまうので注意しましょう。保冷剤をガーゼに包み、まぶたの傷口に優しく当てて冷やすと、炎症が抑えられ、内出血の期間も短くなります。
<手術当日の入浴を控える>
手術当日の入浴は、血圧の上昇により血流が増加し、傷口からの出血が止まりにくくなるため、必ず避けてください。また、長風呂や熱いシャワーを長時間浴びる、湯船に浸かるなどは血流が良くなり、炎症が悪化するためお勧めできません。
手術後のまぶたの腫れは、炎症反応による腫れの現象ですので、熱いお湯に触れると腫れが治まりにくくなりますのでご注意ください。
術後3日間は熱いシャワーや湯船に浸かることは避け、ぬるめのシャワーを短時間で浴びるようにしてください。
<術後の運動を控える> 術後に運動をすると再度出血して止まらなくなるケースもありますので、避けた方がよいでしょう。
眼瞼下垂手術後のデメリットのよくある質問
- Q 眼瞼下垂の手術のデメリットはなんですか?
- A 眼瞼下垂の手術後3ヶ月以内は、腫れや内出血はほぼ全てのケースで起こります。メガネやコンタクトの度数の変化、まぶしさ、ドライアイ、目が閉じにくい、など一時的にさまざまな症状が現れますが、1~2ヶ月で落ち着くようになります。
- Q 眼瞼下垂は手術しない方がいいですか?
- A 眼瞼下垂の手術は、患者様が「肩こりや偏頭痛がひどい」「まぶたが重く開けにくい」などの症状をきついと感じているかどうかを判断基準にして検討することをお勧めします。
眼瞼下垂の症状についてはチェック方法でご確認ください。
軽度の症状の場合は日常的な生活にほとんど支障を与えないため、気が付かない方も多くいます。中等度以上の症状の場合は、身体的な影響が出ていることがありますので、早めに専門の医師に相談しましょう。
軽度、または重度など症状の程度がわからない場合も、専門の医師に相談することをお勧めします。 - Q 眼瞼下垂手術で失敗しないためのポイントを教えてください。
- A 眼瞼下垂手術の手術方法やリスク、ダウンタイムについて、十分に理解しないまま受けてしまうと、ダウンタイム時の腫れや仕上がりのデザインで、ご自分のイメージと違うと感じてしまうかもしれません。
眼瞼下垂の手術を受ける前に、手術方法やリスク、ダウンタイムや副作用について、担当医師にしっかり伺い、ご自分で納得してから手術を受けることが大切です。
眼瞼下垂の手術で後悔しないためのポイントをご確認ください。
また患者様のご希望通りの眼瞼下垂手術と仕上がり目指すためには、クリニック選びが重要です。医師の手術件数などの経験値も重要ですが、当院では
- 現在のまぶたの症状の説明
- 挙筋機能のチェック
- まぶたの症状の原因
- 治療の必要性
- わかりやすい手術方法の説明
眼瞼下垂と言っても患者様ごとに症状は違います。当院では院長自らが診察で総合的に診断し、丁寧に説明をしております。患者様が納得して頂けてから手術を行っております。
─ DOCTOR COMMENT ─ドクターコメント
当院では手術後の腫れが最小限度で済むように手術方法に色々と工夫を凝らしていますが、まぶたは血流の多い部位なので、腫れを完全に無くす事は出来ません。しかし、なるべく手術後の腫れが少なくなるような方法はあります。
まず1つ目は手術前日の注意です。寝不足や、多量の飲酒は腫れを助長しますので、前日はしっかり睡眠を摂り、飲酒は少量にしましょう。タバコは1週間前から止めた方が良いです。酒とタバコは手術後も1週間ぐらい止めた方が良いです。
次に注意する事はサプリメントを常用している方です。血液サラサラの成分が含まれているサプリが時々見られるのですが、これを飲んでいると腫れが中々引きません。
ですから、サプリメントは手術の1週間前から手術後1週間までの約2週間は止めることをお勧めします。他には手術当日のみ、まぶたを冷やす事、手術後は頭を激しく動かさない事、なるべく顔を下に向けない様に上向きにする事などを行っていただければ腫れも最小限で済むと思います。